「軽トラを好きな色に塗りたい。で、いくら?」と聞かれることが一番多いので、値段の幅がどこから出るのかを分解して書きます。金額だけ見ると倍以上ちがうので、何にお金がかかっているかを知ってから相談したほうが早いです。
一般的な相場として、軽自動車の全塗装は50〜70万円ほどとされています。ただしこれは「新車のような仕上がりまでやったら」の数字で、実際の見積りは15万円から100万円近くまで散らばります。同じ「全塗装」という言葉で、まったく違う作業を指しているからです。
軽トラを塗った例です。荷台まで入れるかどうかで金額が変わります。
いちばん効くのがこれです。外から見える面だけを塗るのか、ドアを開けた内側やエンジンルーム、荷台の裏まで塗るのか。ドア開口部の内側まで入れると、そこだけで20〜30万円ほど上乗せになるのが普通です。
仕事で使う軽トラなら、外側だけで十分なことが多いです。ドアを開けたときに前の色がちらっと見えるのが気になるかどうか。ここを最初に決めると、話が一気に進みます。
塗る前の下地づくりが工賃のほとんどです。錆が出ている、ヘコみがある、前の塗装が浮いている。この処理をどこまでやるかで日数が変わります。荷台のあおりや足回りに近い部分は、軽トラだと錆びていることが多いところです。
錆を残したまま上から塗ると、1〜2年で塗膜の下から膨らんできます。安く仕上げたつもりが、結局もう一度塗ることになる。ここは削るところではありません。
バンパーやライト、ゴムのモール類を外して塗るか、貼って隠して塗るか。外したほうが境目がきれいに出ますが、その分の工数がかかります。近くで見たときの差はここに出ます。
単色のソリッドが一番安く、メタリックやパール、マット(つや消し)になるほど上がります。マットは塗るのは難しくないのですが、あとで一部をぶつけたときに部分補修がしにくい。詳しくは別の記事で書きます。
15万円台の見積りが出てきたら、次の3つを聞いてみてください。どれも悪いことではなく、その値段の理由がわかるだけです。
安いには安いなりの範囲があります。その範囲が自分の使い方に合っていれば、それで正解です。仕事の道具として3年使う車と、10年乗るつもりの車では、かける金額の正解が違います。
色見本の小さな四角と、実際に3.4メートルの車一台を塗ったときでは、見え方がまったく違います。面積が広くなるほど明るく、鮮やかに見えます。見本で「ちょうどいい」と思った色は、塗り上がると想像より派手になりがちです。
もうひとつは、汚れの見え方です。現場に入る車なら、泥はねが目立たない色を選ぶと洗車の回数が減ります。逆に、看板代わりに見せたい車なら目立つ色にする。どちらを取るかで答えが変わります。
当店では色を決める前に、同じ色で塗った実車を見てもらうようにしています。屋外の光の下で見ると、印象がかなり変わります。
車種と年式、今の色、直したい傷や錆の場所、希望の色。この4つがあれば、おおよその幅はお伝えできます。写真があると精度が上がります。メールに添付してもらえれば、その日か翌営業日にお返しします。
塗るだけでなく、荷台のラックやガードまで含めて一台仕上げることもできます。全塗装・カスタムのページに作業の流れを、コンプリートカーに仕上げた実例を載せています。
塗るか、塗ってある車に買い替えるか
いま乗っている車を塗る費用と、すでに塗って仕上げてある車に買い替える費用は、ならべて見ると思ったより近いことがあります。当店は中古車も、塗ってから店に並べています。