「マットブラックにしたい」という相談はよくあります。かっこいいのは間違いないのですが、普通の塗装とは付き合い方が変わります。当店で塗る前に必ず説明していることを、そのまま書きます。
色が特別なのではなく、クリアに艶消し剤を入れて光の反射を抑えているのがマットです。だから色そのものはソリッドでもメタリックでも作れます。
塗る作業自体は難しくありません。難しいのは塗ったあとです。
これが最大の違いです。普通の塗装は、細かい傷がついても磨けば消えます。マットは磨くとそこだけ艶が出てしまう。つまり傷を消す手段がありません。
洗車機のブラシ、乾いた布での拭き取り、鳥のフンを擦って落とす。どれも艶が出る原因になります。
ぶつけて1か所だけ塗り直すとき、艶消しの度合いを周りと合わせるのが難しい。同じ塗料でも吹き方や乾燥の条件で、艶の残り方が変わります。
結果として「その面を丸ごと塗り直す」ことになりやすい。仕事で使う車はどこかしらぶつけるので、直す回数が多い車ほどマットは不利です。
マットの表面は微細な凹凸があって、そこに油分が入ると跡が残ります。ワックスやコーティング剤を塗ると艶が出てしまうので、使えません。手の脂、燃料の跳ね、虫。ついたら早めに、擦らずに落とすのが基本です。
好きな人には刺さりますが、純正色を探している人には減点になります。全塗装した車の査定が下がる話は別の記事に書きましたが、マットはその傾向がさらに強く出ます。
逆に「きれいな状態を保ちたい」「洗車機を使う」という方には勧めません。そう言うと売上は減りますが、あとで後悔されるほうが困ります。
艶を完全に消さず、少し残す仕上げにすると、マットの雰囲気を残しながら扱いやすくなります。傷も目立ちにくく、部分補修の難易度も下がります。
当店が淡いソリッドを勧めているのも近い理由です。詳しくは現場で選ばれている色に書きました。
ボディ全体をマットにせず、バンパーやグリルなど樹脂まわりだけを黒いマットにするという方法があります。当店の定番はこれです。
使っているのはラプターライナーで、マットで細かい凹凸のある表面になります。面積が限られているので手入れの負担が小さく、しかも同じ塗料を上から重ねれば部分補修ができる。マットの見た目が欲しいだけなら、この範囲で足りることが多いです。ラプターライナー塗装に部位別の料金を載せています。
塗るか、塗ってある車に買い替えるか
いま乗っている車を塗る費用と、すでに塗って仕上げてある車に買い替える費用は、思っているほど離れていないことがあります。当店は中古車も、塗ってから店に並べています。
「マットにしたい」だけでも構いません。何年乗るか、洗車機を使うか、どこに停めるかを聞いて、全面マット・半艶・樹脂だけマットのどれが合うかをお答えします。
料金の考え方は全塗装・オールペンに。メールでのご相談は無料です。
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