「全塗装すると事故車扱いになる」「オールペンはもったいない」。検索するとよく出てくる話です。片方は誤解で、もう片方は本当です。分けて説明します。
| よく言われること | 本当かどうか |
|---|---|
| 全塗装すると事故車(修復歴あり)になる | なりません |
| 全塗装すると査定が下がる | 下がります |
| オールペンはもったいない | 売る予定が近いならもったいない |
中古車の世界で「修復歴あり」というのは、車の骨格にあたる部分が壊れて、修復された車を指します。フレームやピラー、インサイドパネルといった、走りや安全に関わる部分です。
色を塗り替えただけなら、骨格には一切手を入れていません。だから修復歴にはあたりません。「全塗装した車は事故車扱い」という言い方は正確ではない、と査定側も説明しています(グーネット買取、AUTO MESSE WEB)。
逆に言うと、骨格を直した車は、どんなにきれいに塗っても修復歴ありです。塗装と修復歴は、そもそも別の話だということです。
ここは正直に書きます。全塗装した車を売りに出すと、純正色の同じ車より査定は下がります。理由は単純で、中古車を探している人の多くが純正色を前提にしているからです。
買い手が限られる=業者としては売りにくい=仕入れ値を下げる。それだけの話です。塗装の質が悪いからではありません。むしろきれいに塗ってあっても、この構造は変わりません。
なので「あと何年その車に乗るか」がすべてです。
全塗装した例です。
| あと何年乗るか | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 1〜2年で手放す | 塗らない | 査定の下がりぶんを取り戻せない |
| 3〜5年乗る | どちらでもいい | 毎日の気分と、下取りの差額を比べて決める |
| 5年以上乗る/乗り潰す | 塗っていい | 査定の話がほぼ関係なくなる。そのぶん毎日が変わる |
この言葉は、車を資産として見たときの正しい指摘です。売値が下がるのは事実なので、否定しません。
ただ、仕事の車は資産であると同時に道具です。毎日いちばん長く座っている場所でもある。「仕事の車だから何でもいい」と言う人ほど、実は乗っている時間が長い。
当店のお客さんでいちばん多い感想は「車を大事にするようになった」です。洗う回数が増えて、荷室が片付いて、現場もきれいになる。これを金額に換算するのは難しいのですが、「もったいない」の反対側にあるのはこの部分だと思っています。
これも検索でよく出てきます。実際に、安い全塗装で失敗する例はあります。起きているのはだいたいこの3つです。
どれも「安いから悪い」のではなく、安い見積りの範囲を確かめずに頼んだ結果です。15万円の見積りが出てきたら、「ドア内側は塗るか」「錆の処理は込みか」「バンパーは外すか」の3つを聞いてください。その範囲が自分の使い方に合っていれば、安いこと自体は何の問題もありません。
これもよく誤解されています。色を変えても、陸運局や軽自動車検査協会への届出は不要です。現行の車検証には「車体の色」の記載欄そのものがなく、道路運送車両法第12条が定める変更登録の対象(型式・車台番号・原動機の型式・所有者の氏名住所・使用の本拠の位置)にも車体色は入っていないためです(行政書士法人Tree)。全塗装しても車検はそのまま通ります。
別なのは灯火類の色です。ヘッドライトやウインカー、テールランプの色は保安基準で決まっているので、ここを変えると車検に通らなくなります。ボディの色とは分けて考えてください。
塗るか、塗ってある車に買い替えるか
いま乗っている車を塗る費用と、すでに塗って仕上げてある車に買い替える費用は、思っているほど離れていないことがあります。当店は中古車も、塗ってから店に並べています。
「塗るべきか迷っている」の状態で構いません。あと何年乗るつもりか、どんな使い方をしているかを教えてください。「今回は塗らないほうがいい」と思えば、そう言います。
料金の考え方は全塗装・オールペンに。メールでのご相談は無料です。
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