「下回りの錆止めって、やったほうがいいんですか」とよく聞かれます。
答えは「車の状態とタイミングで変わる」です。これは逃げではありません。やると逆効果になる場合があるからです。塗る側から、効く車・効かない車と、やるなら何月かを書きます。
ここだけは覚えて帰ってください。
浮いた錆の上から黒い塗料を吹くと、錆を閉じ込めるだけです。見た目はきれいになりますが、中では錆が進みます。しかも黒く塗ってあるので、進んでいることが外から見えなくなります。
| 効く車 | まだ錆びていない、または表面が薄く茶色くなっているだけの車。これから守る、という使い方 |
|---|---|
| 効かない車 | すでに錆がめくれている・さわると粉になる車。錆を落としてからでないと意味がありません |
| やってはいけない | 穴があいている車に、上から吹いて隠す。これは直したことになりません |
どこまで直すかの判断は作業車の錆はどこまで直す?表面錆・穴あきに書きました。錆の段階で、やることが全部変わります。
| ① 買ったとき | いちばん効きます。これから何年乗るかが決まっているので、守る価値がはっきりしています。中古で買った車もここです |
|---|---|
| ② 車検のとき | どうせ下から見るので、ついでにできます。リフトに上げる手間が1回で済みます |
| ③ 11月〜12月 | 雪の前。融雪剤をかぶる前にやっておくのが順番です。春にやると1シーズン手遅れになります |
逆に、やる意味が薄いのは「あと1〜2年で手放す車」です。その場合は、お金を消耗品に回したほうが効きます。
錆の記事はたいてい「雪国の融雪剤」の話になりますが、このあたりは事情が違います。
「名古屋だから錆びない」は、海沿いの車には当てはまりません。これは実際に下から見ていて、はっきり差が出ます。
| リアのフェンダーの内側 | タイヤが跳ね上げた水と砂が、いちばん当たります |
|---|---|
| ドアの下の端(ステップ) | 乗り降りで傷が入り、そこから錆びます。見えるので気づきやすい場所 |
| 荷室の床の下 | 重いものを積む車はここが効きます。上から見えないので進んでいても分かりません |
| マフラー・足まわりの取付部 | 熱と水で傷みます |
| ぶつけた跡・こすった跡 | 塗装が切れたところから必ず始まります。傷は見た目の問題ではありません |
仕事で使う車は、傷が入るのが前提です。だから当店は、ぶつけやすい樹脂まわりをラプターライナーで仕上げることが多いです。厚い膜で、こすっても下まで届きにくくなります。
| シャーシブラック | 下回りを黒く塗る塗料の通称。安く早く、見た目も整います。ただし膜が薄く、何年かで切れます |
|---|---|
| 厚い防錆材 | 厚みのある材料を吹いて覆う。高くなりますが、長く持ちます |
| 下処理をするかどうか | ここが本体です。錆を落として、脱脂してから塗るかどうかで寿命が何倍も変わります。「吹くだけ」は安いですが、そのぶん短いです |
世の中の料金は1万円台から5万円以上まで幅があります。この幅は、下処理をするかどうかの差です。金額だけで比べると、何をやってもらったのか分からなくなります。
下回りはリフトに上げて、下から見て判断します。見ないで「やりましょう」とは言いません。
当店は塗って売っている車屋なので、下回りも日常で見ています。
金額は車の大きさと、下処理がどこまで必要かで変わります。見てからお伝えします。
施工を頼まなくても、これだけで寿命が変わります。
| 1 | 冬に雪道・融雪剤の道を走ったら、下回りを水で流す。これがいちばん効きます |
|---|---|
| 2 | 海沿いを走ったら流す。同じ理由です |
| 3 | ぶつけた・こすった傷は、早めに塞ぐ。放っておくとそこから始まります |
| 4 | 年に1回、下をのぞく。見るだけでいいです。進み方が分かります |
いちばん安い錆対策は、洗うことです。これは本当です。
Q. 新車のうちにやったほうがいいですか
A. 効果はいちばん高いです。まだ錆びていないので、守るだけで済みます。ただし何年乗るかで、かける金額を決めてください。
Q. 中古車を買ったばかりですが、間に合いますか
A. 状態によります。下から見て、表面だけならやる価値があります。めくれている錆があるなら、落としてからです。
Q. 何年おきにやり直しますか
A. 材料と下処理で変わります。薄い塗料なら数年、厚い材料ならもっと持ちます。やり直しの時期も見てお伝えします。
Q. 錆止めをすると車検に有利ですか
A. 直接は関係ありません。ただし錆が進んで穴があくと、車検で指摘されます。手前で止めるという意味では効きます。
Q. 全塗装と一緒に頼めますか
A. できます。そのほうが手間が1回で済みます。全塗装の料金と合わせてお見積りします。
Q. もう穴があいています
A. 塞ぐ作業になります。場所と広さで手間が変わるので、見せてください。錆はどこまで直すかも参考にしてください。
下回りが気になる方へ
車種・年式・使っている場所(海沿い/雪の道を走る/屋内保管か)・あと何年乗るつもりかを書いて送ってください。やる意味があるかどうかから、お返しします。