ハイエースの全塗装を調べると、30万円と書いてある店もあれば100万円超と書いてある店もあります。10倍近い差がなぜ出るのか。見積りのどこを見れば自分の予算に合うかがわかるのか。順番に説明します。
まずここです。ハイエースには標準ボディとワイドボディがあり、屋根も標準ルーフ、ミドルルーフ、ハイルーフがある。さらにロングとスーパーロング。組み合わせで塗る面積がかなり変わります。
車体が長くなるか屋根が高くなるほど、塗料も足場も作業時間も増えます。ハイルーフやスーパーロングは基本料金に数万円から十数万円が上乗せになるのが一般的です。同じ「ハイエース」で見積りを比べても意味がないのは、このためです。
ハイエース・キャラバンを塗った例です。同じ「全塗装」でも、どこまでやるかで中身が変わります。
安い側の例では、外から見える面だけをメタリックの焼付塗装で30万円台から、という見積りがあります。高い側では、しっかりやると100万円を超えるという話も出てきます。この差は手抜きかどうかではなく、範囲の差です。
ハイエースは面が大きく、平らな部分が多い。平らな面はごまかしが効きません。下地が波打っていると、光を当てたときにそのまま出ます。手間をかけるところが多い車です。
ハイエースはスライドドアとバックドアがあるぶん、開口部が多い。ここを全部塗ると金額が大きく動きます。仕事の車なら外だけ、という判断も十分にありです。
バンは荷室が広く、内張りを外すかどうかで工数が変わります。荷物を積む車なので、内側は現状のままという選択もよくあります。
バンパーやミラー、グリルなどの樹脂部品を同じ色で塗るか、黒のまま残すか。全部同色にすると一気に印象が変わりますが、そのぶん部品を外して塗る工程が増えます。
過走行のハイエースは、下回りやステップまわりに錆が出ていることが多い。ここの処理が見積りに入っているかどうかで、後から追加が出るかが決まります。「錆があった場合は別途」と書かれていたら、その場でおおよその上限を聞いておくと安心です。
仕事で使っている車なら、ここが金額と同じくらい大事です。何日預かるのか、代車は出るのか、代車も荷物が積めるのか。ハイエースの代わりに乗用車を出されても仕事になりません。
ボディカラーを変えたら、車検証の記載を変更する手続きが必要です。次の車検のときにまとめてでも構いませんが、その間に警察に止められると説明を求められることがあります。当店で塗った場合は手続きまで案内しています。
正直な話をすると、走行距離が伸びていて機関にも不安がある車なら、塗るより程度のいい中古を探したほうが安く済むことがあります。当店はコンプリートカーも作っているので、その比較も含めて相談に乗れます。
逆に、車自体は元気で外装だけくたびれている車なら、塗る価値は十分にあります。愛着のある車をあと5年使うための投資として考えると、判断しやすくなります。
車種と型式、走行距離、今の状態がわかる写真をお問い合わせから送ってもらえれば、幅のある形でお見積りします。仕上げた実例はコンプリートカーに載せています。
塗るか、塗ってある車に買い替えるか
いま乗っている車を塗る費用と、すでに塗って仕上げてある車に買い替える費用は、ならべて見ると思ったより近いことがあります。当店は中古車も、塗ってから店に並べています。