「社用車を全塗装したら、その年の経費で落ちますか」。法人のお客様からよく聞かれます。答えは「落ちることが多いが、条件による」です。分かれ目になる考え方を、税務の言葉を使わずに整理します。
先にお断りしておくと、当店は車屋であって税理士ではありません。最終的な判断は必ず顧問の税理士さんに確認してください。ここでは「相談するときに何を聞けばいいか」がわかるところまでを書きます。
車の修理や改造にかけたお金は、大きく2つに分かれます。
塗装で言えば、色あせや錆が出た車を元どおりきれいにするのは修繕費に寄ります。一方、車の価値を明らかに上げるような作りこみは資本的支出に寄ります。同じ「全塗装」でも、目的と中身で扱いが変わるということです。
国税庁は、判断に迷う場合の形式的な基準を示しています。順番に当てはめていくと、多くの場合は修繕費として処理できます。
軽トラや軽バンの全塗装は、外側だけであれば60万円を下回ることが多い。この場合は3番でそのまま修繕費に落ちます。ハイエースクラスで内側まで作りこむと60万円を超えてくるので、4番の取得価額との比較が効いてきます。
社用車を塗った例です。
実務でよくあるのが、「全塗装一式 ◯◯円」とだけ書かれた見積書です。これだと中身がわからないので、税理士さんも判断に困ります。
当店では、法人のお客様には内訳を分けて出しています。錆の処理や下地の修復といった「元に戻す作業」と、色替えやパーツの追加といった「新しく足す作業」を別の行にする。こうしておくと、どこまでが修繕費かの説明がしやすくなります。
見積りを頼むときに「経費処理の都合で内訳を分けてほしい」と一言もらえれば、そのように作ります。追加の費用はかかりません。
ここが一番聞かれるところです。白い社用車を自社のコーポレートカラーに塗り替える。これは元に戻す作業ではないので、形の上では価値を足す支出に見えます。
ただ実際には、金額が上の形式基準に収まっていれば修繕費として処理されている例が多いです。加えて、社名や色で自社を示す目的があるなら、広告宣伝としての性格も出てきます。どう整理するかは顧問の税理士さんの判断です。
こちらでできるのは、判断材料になる見積書と作業内容の記録を残しておくことです。塗装前後の写真も、聞かれれば出せるように保管しています。
経費の話とは別に、車として考えたときの目安もあります。錆が塗膜の下から出てきたら、そこが替えどきです。放っておくと穴になり、板金が必要になって金額が跳ね上がります。
複数台をまとめて塗り替える場合は、年度をまたいで分けるという選択もあります。1台ずつなら形式基準に収まるが、まとめて出すと大きな金額になる。段取りの相談も含めてお受けしています。
社用車の塗り替えや、まとめての入れ替えを考えているなら、お問い合わせから車種と台数を書いて送ってください。全塗装・カスタムのページに作業の範囲を載せています。
塗るか、塗ってある車に買い替えるか
いま乗っている車を塗る費用と、すでに塗って仕上げてある車に買い替える費用は、ならべて見ると思ったより近いことがあります。当店は中古車も、塗ってから店に並べています。
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